SSブログ

風をみて水をみる [田]

毎日田んぼをみて回っています。
そう、田植えが終わってからこれまで二ヶ月ほど、ほぼ毎日全ての田んぼを見て回っています。

DSC08053.jpg

今年は田んぼが2町5反という広さになってきています。
借りて欲しいと言われて断った場所もあります。
断ってなかったら3町くらいになっていたかもしれません。
でも、田んぼの一枚の広さは1反あるところは少ないです。
一応中山間地域のため、区画整理は遥か昔に行われて、みんなケチだったのかこの辺りの田んぼは一枚一枚が小さいです。
これを不便と嘆くのか、まだまだこの地域は整備が進んでないなと見るのか、それとも小さいからこそみなさん大事に使ってきたと見るのかは人それぞれでしょう。
これ以上の大規模投資はこの時代無理だとわかります。
今ある田んぼを最大限活かすしかないですね。

というか占めて33枚の田んぼを管理しています。
小さいのは2畝(0.2反)くらいの田んぼもあると思います。


そんな33枚の田んぼを毎日見て回っています。
さぁ、今日はみなさん一緒に田んぼの見回りにレッツゴー!!


DSC07659.jpg

移動手段は原付です。
しょぼいです。
でも燃費は最高です。
毎日どれくらい走っているのか測ろうと思ってもメーター動かないんでわかりません笑
だいたい1時間くらいかかりますね。
ただただヒョイと見て、次!だったら早いんですが、、

さあここで問題です。
私は一体なんのために田んぼを見て回っているのでしょうか?




正解は・・・

水を見て回っているのです。水がきちんと入っているかどうかです。
あ、前回のブログ見てくださった方だったら楽勝だったでしょうか。


「稲は主人の足音を聞いて育つ」と言う云われもあるそうです。
毎日田んぼにいき畔を歩き、足音でお米を育てるのです。
歩いているとモグラの穴があるかどうかわかります。耳を澄ますと水が落ちる音がします。モグラの穴です。
毎日全ての田んぼを見ていたら、何か異変があったり、虫が増えていたり、病気が入っていたり、雑草が生えていたりといった変化に敏感になります。

それに穂が出てきたこと、スズメがきている(コラーー!)なんてこと、品種ごとの生育の違いなんてことも見えてきます。

でも、何は無くとも水です。
米は水で育つといっても過言ではないと思います。
事実、うちは肥料とか使わないので田んぼに入れるのはこの水だけということになります。

水がきちんと入っているか、水路から流れてきているか、水路からの入り口はゴミなどで詰まってないか。
モグラが畔に穴を空けていても水がたまりません。
水を入れても入れてもダダ漏れしちゃってダメです。
モグラの穴を塞ぎます。
手をかけたらかけただけ、お米は応えてくれるという実感はあります。足音大事だと思います。



さあ、では
実際に田んぼ見回りにいってみましょうか。
レッツゴー!


まずは緑米をみてみよう。いい感じ。
緑米は晩生です。隣は穂が出てますが、緑米はまだまだ。
DSC08484.jpg


水が入っているかどうか、水路をみてみます。
水路はむき出しのU字溝。
水路の水量はどうか、水口はゴミが詰まってないかをみます。
そして田んぼに溜まっている水はいつも通りか。
少なくなっていたら何か異変があるはずです。

モグラが畔に穴を開けていたら塞ぎます。
たまにダダ漏れの時があります。
モグラの穴塞ぐのに穴の場所がわかんなくて本当に苦労する時があります。


そしたら次はササニシキ行きましょうか。
DSC08490.jpg

いい感じに穂が出ています。
DSC08493.jpg

ササニシキは一番最後に植えました。6月の30日とか。
それで一番最初に穂が出てくるんだから本当に超絶早稲君です。
とっても早いのでスズメにロックオンされる確率【6年中6回】これまで100%。
ただ、昨年からこちらの救世主にだいぶん助けられています。
バードガード様 https://birdgard.a-alt.com/
スズメにやられると色が悪い米が一気に増えるので本当に大変です。
バードガード君は結構スズメを避けてくれます。


羽二重餅
元気です。
DSC08495.jpg


神力
スズメにやられています。
明治を代表するお米、「朝日」の前は西日本でかなり作られていたお米。現在は酒米として少量育てられ、幻のお米と言われています。
DSC08523.jpg

穂が出るタイミングがバラバラ、早稲と晩生と両タイプがあるようです。晩生のものでタネをとります。
DSC08526.jpg



ふー。


疲れました?
まだまだ半分も見回り終わってません。



タイの香り米 ジャスミンライス
背が高いんです。若干黄色がかって圧倒的な存在感。
DSC08509.jpg

そして、背の高さを表現しようと自撮りしたが、全くもって全然表現できませんでした。
DSC08508.jpg


カオニャオ
ジャスミンよりも背が低いですね。それでもタイ米で餅米タイプ。
日本みたく餅にしないで、手でグニャグニャして食べます。あー早く食べたい。
DSC08527.jpg


黒米(紫黒米)
も長粒種、タイ米みたいな細長い米。これの穂がとっても綺麗。
DSC08530.jpg


朝日
穂が、花が出てきました。晩生ですねー。
あんなにジャンボタニシにやられたのに、頑張って復活させました。
DSC08542.jpg

DSC08534.jpg



赤米
この穂が出始めの時が一番綺麗。田んぼで異彩を放っています。
DSC08547.jpg


サツマキヌモチ
ようやく穂が出てきた。早く餅食べたい。
DSC08555.jpg




おまけでマコモ
とっても大きい!間にこぼれ種の黒米が出てますが、その倍以上ある。
自分背丈くらいあります。これからお茶やマコモダケとして皆様の元にお届けします。
DSC08551.jpg


あとはヒノヒカリとかハッピーヒルとかも育てています。
写真が・・・


あれ?
えっと、今回のブログのテーマが
「風をみて水をみる」
だったんですが、今の所水をみてばっかりで全く風をみておりません。

ちょっと風をみていこうと思います。

DSC08228.jpg

夏は田んぼで米をやっているので、常に天気を気にしています。
低気圧、前線、気圧の谷、そして台風。

今も21号近づいてきてますが、ほんっとうに強そうです。
みんなで警戒しましょう!

天気予報をみるのは当たり前ですが、肌で感じる風も重要な情報源です。
普通、夏場はあんまり風が吹きません。
でも雨の前触れとか、ちょっと上空に寒気が入ってる時などやはり風が吹くことがあります。

風がふくと雨が降ります。[雨]
雨が強くなると田んぼの水路が溢れます。
そうすると道路など冠水したり、稲が水没したりしてしまいます。
周りの田んぼにも迷惑をかけてしまったりするんですね。

「雨が降ると水の調節。」
これ絶対なんですね。
そして、実はとっても面倒だったりします。
水路には我田に水を落とすために板を入れたり、石を置いたり、土嚢を置いたりしています。
それらを全て引き揚げて、雨がやんだら全てを元に戻さなければいけません。

天気が不安定だとこれの繰り返しが起きてきます。
33枚の田んぼ全てでこれが繰り返されるので、本当に大変です。

また、前回のブログでも書いてますが、水が切れると水生生物も死んでしまったりします。
彼らのためにも水を落とさないように、田んぼを走り回る山田君です。


ということで、雨の前触れ「風の便り」はとっても大事な「水をみる」作業の判断材料になっているわけですね。
「風をみて水をみる」わけです。




余談になりますが、風が運んでくるものは雨以外にもこれがあります。

雷です。[雷]
雷は稲作に欠かせない存在です。稲妻。
稲の妻です。
稲を育てるのは主人の足音だけではないのですねー!雷神様に感謝感謝です。
今年はそんなに雷が鳴ってないような気がします。
雷がなぜ稲を育てるのかはぜひ皆様調べてみてください。


お米は水神様、風神様、雷神様などなどたくさんの神様のおかげで育つのですね。
その中でも水は昔の方々の苦労のおかげで灌漑が整備され、このように我田引水できているわけですね。本当にありがたいことです。

これからお米が充実してくるまで、もう少し毎日の見回り頑張ろうと思います。


ブーーーーン[ダッシュ(走り出すさま)]
nice!(1)  コメント(0) 

土用干し・中干ししません [田]

DSC07695.jpg

今日も1日が始まる

暑い
とにかく今年の鹿児島は暑かった。
もう暦の上では処暑でだいぶん秋の空気感。
今年は他の地域でもそうだったみたいで、蚊が出ないほど暑かった。(過去形にしたい)
蛇もほとんど田んぼで遭遇しませんでした。

DSC06552.jpg

そんな中、毎日田んぼの草取り、へばったー。
なんで、長袖着てるのに日焼けするのか意味がわかりません。
DSC06632.jpg


今日は田んぼの中干しについてお伝えします。
うちでは田んぼの土用干ししません。
梅干しのでなくて、田んぼのです。

梅はこの時期いっつも干してます。
DSC06071.jpg

でもね、たまに桜島の灰が降るので、いつも上空を気にしています。
今年もいい梅干しができてきています!

じゃなくて、田んぼの中干しです。

DSC08053.jpg

これまで中干しやったことありません。
中干しとは、土用の時期くらいに田んぼの水を落とすことです。
理由としては、
①無効分けつを抑え、適正な穂数にする
②下位節間の伸長を抑え、倒伏を軽減する
③土壌へ酸素を供給し、根を健全に保つ
④田んぼのガス(メタンなど)を抜く
⑤地耐力の確保や刈取前の排水が円滑になり、コンバインでの収穫作業を容易にする


DSC05697.jpg

やらないのは水性生物がいるからです。


DSC05582.jpg
DSC05585.jpg
DSC05665.jpg
DSC05669.jpg

色々います。
彼らは水がないと生きていけなかったりするので、むしろできるだけ水が落ちない(なくならない)ように毎日毎日気が気でありません。

特に台風とかで大雨のあとは、なかなか水路に水が乗ってきません。
今も台風19号が鹿児島をすぎたばっかりですが、この後の雨の状況次第では水路に水もなく、あまり雨も降らずだと水が落ちます。
20号は中四国方面へ行きそうです。本当に心配です。


中干しをされてらっしゃる農家さんもいますので、中干し否定ということではありません。
(あんまり近所では中干ししているかたもいらっしゃらないのですが。)
こちらとしても、たくさんメリットあるみたいなので、やってみたいという気持ちもあります。
稲刈りの時にコンバイン入らないんじゃどうしようもない!って場合もありますし、中干ししなかったがために登熟期台風で倒伏してしまった、なんてこともあると思います。
する、しないはその土地の水の条件にも左右されることもあります。



ただ、どうしても「かえるすたいる」的には彼らに水を入れてあげようって思ってしまい、
今年もまた田んぼの水が入ってるかどうか、毎日せっせと見回りをしてしまうのでした。
今後中干しをしないとどれほど生き物がいるのか、農薬や肥料を入れないとどれほど生き物が増えるのか、比べてみたいところです。なかなかそういう暇がないのが悩みですね。

DSC07659.jpg


次回は「風をみて、水をみる」乞うご期待!


こちら参考までに「中干しを実施しない水田でみられた水生動物群集の季節消長」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjeez/25/1/25_11/_pdf
nice!(1)  コメント(0) 

ボランティアやめるか [自然]

DSC06846.jpg(広島のうちのお墓の前の田んぼ)

「ボランティアしに広島行こうと思う。」
7月に妻にこう言ったら
「あー、お手伝いね。おっけー。」
という返事が帰ってきた。


もうそろそろ「ボランティア」に変わるワードが必要だと感じました。
そもそもボランティアは志願兵などの意味から始まっているらしいです。ウィキによると。


災害時の支援でボランティアいくのと、どこかNPOなどの活動に賛同してボランティアに行くのとなんか印象が違うように思います。


災害ボランティアにはいろんな思いがそれぞれの方にあるような・・・。
自分が前に助けられたから、居ても立ってもいられなくて、友達が行くから、経験してみたかったから、誰かの助けになりたかったから、近くだったから、保険が生業だから、友達の為に。


ボラセンに集まる面々は、
そういえば昔派遣のバイトで働いていた時のように、これからどこに連れていかれるかもわからず、でもこのあと確実にきつい作業が待っているのだが、どんな人がグループになるかもわからず、若干不安だが頑張らねばならないという顔をしてバスを待っているようにも見えました。
(昔、派遣バイトきつかったけど、色々頑張ってやってました。)
多少義務感を持ってやってくる人もいるような。
(みんながみんなそうってわけじゃなくて、あくまでも派遣バイト時代を思い出したということです。明るく参加されてるかたもたくさんいて、僕の心境のせいもあるね!)


そうやって、みんながそれぞれの思いを抱えて活動している。
「自分のできることは、たかが知れている」

無意味かも知れないし、偽善かも知れないがそれでも、それでも何かできることはないかと自分に言い聞かせて。



でもね、
「お手伝いに行くんだ」と思ったら単純明快、とってもシンプル。
「ボランティア」ってなんとなく高尚な感じ?自分だけかな。意識高い系みたいな。
「お手伝いに行くんだ」だとなぜか「ボランティアに行くんだ」よりももっともっっと身近でハードル低くなって、隣の人の手伝いをしにちょっくら行ってくっぜ!というぐらいの感じ。

「水害で困ってる人がいるから、お手伝いに行こう」


お金にもならんのにとか色々思うけど、お手伝いならお金にもならんで普通じゃもんね。
でも、鹿児島から?わざわざ行く?一人で?

そういえば奄美豪雨の時も、東日本の時も、熊本地震の時も色々あっていけませんでした。
あんまりもう色々理由つけたくなくて、頑張って仕事一段落させるのに必死で、でも今回は災害から三週間かかりました。




あの時、僕、助けてもらったんで。


全国のたくさんの人に助けてもらいました。
名前もどこに住んどんのかもわからん人に助けてもらいました。
お金も分けてもらいました。
なんで、こんなに助けてくれるんじゃろうって思ってました。
今でも思い出すと泣けてくる。
なので、一生かけて返していけたらと思ってます。


たかだか三日間行ってきただけですが、少しはお手伝いできたかな?
その間、妻子供には家の仕事をがっつり任せて行きました。三日間ガッツリ田んぼ仕事、発送作業など相当しんどかったと思います。
家族にも感謝です。


災害時における、ボランティアに代わる言葉としては縁助活動(えんかつ)とか、結い活動(ゆいかつ)なんかハマるかなと思いましたが、わかりません。
言葉、意外と大事だったりしません?
とりあえず動詞としての「ボランティア」は「お手伝い」がいいなと思いました。

DSC06861.jpg

最後に、被災地広範囲ですが多分どこも人足りてません。
一ヶ月たってもまだ今から復旧というところがあります。
僕が行ったのは広島の「坂町」でしたが、人、もっといるといいなと思いました。
何か支援方法、色々あると思いますが、まずはスコップでの一掻き。これに勝る支援はないなと現地で感じました。

再度行けるか、ちょっと仕事的に微妙ですが、とにかく田んぼも頑張らんないけんので、本業第一で頑張りたいと思います!!

DSC06864.jpg
nice!(1)  コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。