男は黙って田んぼで語る 2017/8/17 [田]
こんにちは
この頃は毎日田んぼに行っています。
しかし、なかなか写真などを撮ってはいなかったりして、いつもいつも「現在の様子」を撮っておきたいと思いながら、カメラを忘れたりしがちです。
昨日は撮るぞって気持ちでカメラを車に入れ、田んぼを回ってきました。
そうそう、「稲は主人の足音を聞いて育つ」ということわざ(?)があります。
うちは毎朝田んぼの水が入ってるか確認したり、草が生えてないか、虫はきていないか、病気は入っていないかをチェックするために、すべての田んぼを回っています。
でも、田んぼが多いので畦(あぜとは田んぼと田んぼを分ける土手のようなゾーンです)をきちんと歩いてぐるっと回ってとかはできません。
水口(田んぼの水の入り口です)あたりからサッと水をみて、全体をみて次の田んぼへ!という感じです。なので、バイクの音は聞くけど(あ、だいたいいつもカブで回っているのです)足音は毎日は聞いてはねーなー、とイネさんは思ってるかもしれません。
それでもそうやってサッと見て回るだけで、毎朝軽く1時間くらいかかるのです。きちんと畦を歩き回っていたら半日くらいかかるかもしれません。
じゃあここで、毎日見て回っているイネさんたちの様子を品種ごとに大公開です。
まずは「朝日」とっても順調です。緑も濃いですし、この南九州にもバッチリ合ってる感じです。
6月21日田植えなので、2か月弱。20-30本分蘖してますね。
「ヒノヒカリ」ここは6/22田植え。30-40分蘖してます。この田んぼが初めから作付けしている田んぼになります。
「ハッピーヒル」緑が一番濃いと思います。分蘖もしますが、穂がとっても面白いです。実つきがとっても多い。おいしいお米です。6/24田植え、30くらい分蘖
「ササニシキ」6/30田植え、20本くらい分蘖、緑濃い
ササニシキは鹿児島だと極早生になるみたいで、大分遅めに種まきして(6/12にしました。その他の苗は6/2に蒔いてます)田植えも遅くして、ちょうど他の品種と出穂が合うという感じです。
隣近所の田んぼと穂が揃わないとスズメの餌食なので、ここも大事なポイントになります。
赤米6/29田植え
田んぼ分蘖は40-
ここは手植えで一本植え
すごい生命力
緑米6/29田植え
なんとも言えません。圧倒されます。手植え一本。
50本以上分蘖するやつもたくさん。まだまだこっからです。
黒米6/29田植え
手植え一本。
いい感じです。
マコモ(7/7田植え)
どうなるか。
レンコンさん 4/12田植え
どうなるか!ってかここは草とらないけんかなー。
もち米、まだまだです。
そんで、「足音を聞いて育つ」と言われてるわけですけど、どういうことかっていうところですが、きちんとイネの様子を見て、世話をして、畦を歩いてモグラの穴を見つけて塞いで、ってことをしよう!あとは無農薬の農家さんとかでなければ、きちんと農薬まいて、肥料まいてなどなどということになります。
イネは全てちゃんと聞いてくれているよ、ということです。
どれだけ田んぼに足を運んでくれたのか、向き合ってくれたのか、そういうことに応えてくれると思っています。
その中でも特に畦をどれだけ歩いたかというところにつながりますが、
モグラの穴はしっかりと耳を澄まして、下をよく見て畦を歩かなければ気づけません。
モグラが開けた穴から水が抜けていては十分に水がたまりません。
イネは水で育つというほど水が大事なので、(特に無肥料でやっていると本当に水と太陽のおかげで育っているなーってことを感じます)モグラの穴があればきちんと塞ぐというのはとってもとっても大事なことです。
うちでは農薬を使わない代わりに、草取り作業がかなりあります。
これも足音の一つになっていると思います。
田んぼの水には並々ならぬうちの家族の汗が含まれていると思ってもらって差し支えないかと思います。
この地域では誰よりも田んぼに出て、しっかりやってると思っています。
暑くて誰も田んぼに出てない時でも、田んぼに出ていろいろやっているので、わかります。
田んぼに人がいると遠目からでも「あ、あそこやってるな」と見えるのでわかります。
うちが一番田んぼに浸っているなーと。
(あ、ごめんなさい。このあたりにももっと頑張ってる農家さんもいるかもしれません。僕の知る限りという話。てか、草が生えてないからやることないということもあるかもしれません。うちは草が生えてるのでやっぱり頑張らなければならねんです。まだまだ未熟という証でもあります。)
6年ほど前、近所の人に言われました。
「お前は草を育ててんのか!!」
「無農薬なんか無理だ。」
「お前はもう辞めろ!」
悔しくてたまりませんでした。
自分でもこれじゃダメだってことわかるくらい草ボーボーだったのです。
自分が一番わかってましたから余計に。
それから誰よりも早く田んぼに行き、誰よりも暗くなるまで田んぼで手を動かそうと思いました。
夏場は昼間は誰も周りに人はいません。
田んぼと私だけの世界です。(あ、妻もいます!)
男は黙って田んぼで語る
田んぼが全てを見せてくれます。
田んぼをみればその人の頑張りが見える。
その人が見える。
黙って、たんたんと、
美しい風景、生き物いっぱいの田んぼをこれからも作っていきたいと思います。
そして、自分の田んぼに少し自信が持てるようになってから、田んぼでの「コメニケーション」を大事にするようにもなりました。コミニケーションでもコミュニケーションでもなく「コメニケーション」です。
田んぼに知っている人がいたら声をかける。話をする。急いでる時はちょっとだけ、という感じで。
「田んぼ、いい感じですね!」と。
これは田んぼが草ボーボーの時はできませんでした。
周りの人にはよく思われてませんでしたから、話しかけるのが怖くて。
これからも、ちょっとしたこういうことを大事にしたいです。
いろんなこと書きましたが、
とは言っても、まだまだ草が多い田んぼもあるので、まだまだまだまだ頑張らねば!です!
実りの秋を迎えられるように、あと二ヶ月ほど頑張ります。
そして、お昼休みはやっぱり川涼みですね。
2017年の田んぼ7月まで [田]
今年の田んぼ前半戦の記録です。
えーと何から書いたらいいかな〜〜。
今、台風5号が屋久島の南に停滞していて、明日にかけて鹿児島にも近づいてきそうです。
去年の16号を彷彿とさせるコース予想。。
もしかして、、、あの日の夜が脳裏をよぎる。そんな中ブログ書いてます!!
(2016年台風16号の時の様子)
まず、2017年はまた田んぼが増えました!
あんまり増やすつもりなかったんですが、僕が住んでいる垂水市の水之上地区はとんでもない勢いで耕作者が足りなくなってきています。
本当に僕なんかの手じゃ足りない。これを見ているあなた!ここに引っ越して農業やりませんか!!
ちゃんと計算すると今年は2町の田んぼを面倒見ているようです。
これ田んぼの枚数にすると30枚です。
普通の稲作農家さんが見たらびっくりされると思います。棚田でもやってんのかと。
この辺は割と平野っぽいんですが、一枚の面積が小さいのです。なので、田んぼ30枚やってても2町くらいにしかならない。とにかく畦が多くて草刈りが半端じゃない。
こんだけあるのでこれ見ながら管理してます。
一枚一枚が小さいのは、土地改良が進んでいないということ。水路もパイプではなく、U字溝です。
なぜ改良が進んでいないかというと、みなさんそれぞれの田んぼを大事にしていて、自分のお米は頑張って自分で誇りを持って作っていた(今までは)こと、ということなどが農地の大規模化を阻んだ理由かと思っています。
それがためにだだっと田んぼが広がっているのに、掛け干しの田んぼが多い理由にもなっていると思います。普通、こんだけまとまった田んぼの場合コンバインが主流になっていてもいいはずです。
秋には竿を並べて掛け干しの風景がこのあたりに広がり、それはそれは美しい風景を、懐かしい風景を作り出します。水之上の遺産、大事にするべき文化であり、アイデンティティだと思います。
農家としては農地は大きい方がいい、チマチマやるのは大変です。それでも今までここの人たちが守ってきたものを大事にして生きたいと思います。
これだけ田んぼがありますが、全部が全部お米を育てているわけではありません。
中には水があまりかからないので、里芋を植えた田んぼ、牟田すぎてレンコンやマコモを育てているところなどもあります。今年からの新しい挑戦です。あ、今から大豆を蒔こうとしている田んぼもあるんだった。
去年の災害で土砂が埋まった田んぼが3枚もありましたが、それらはなんとか復旧して田植えに間に合いました。水路が復旧しないのではという心配もありましたが、本当にギリギリで植える判断となりました。正直、「また去年のように土砂がくるかもしれない」とも思いましたが、やるだけやってみるという感じです。
ここも
なんとか田植えできた
ここも
なんとかできたけど、これは田植え直前。
ここも
なんとかもとどおり。
今年の栽培品種は
・ヒノヒカリ
・朝日(栽培増やしました)
・赤米
・緑米
・黒米
・ハッピーヒル(栽培増やしました)
・ササニシキ(栽培増やしました)
・香り米
苗づくりの失敗もありました。基本的な技術がまだまだなところもあります。
ふとしたこと、淡々とやってしまいがちな種まき作業ですが、実はこれに全てかかってます。ちょっとしたところに落とし穴、失敗は即山田家の破綻を意味します。
苗が全てです。苗ができないと稲作は始まりません。
それと緑米、羽二重糯、亀ノ尾、これらはダメでした。
多分去年の台風の時に水に浸かっていたんだと種まきした後で気づきました。糯米、亀ノ尾は全く発芽しませんでした。普通水に浸かったんだとしたら気づくと思いますよね。でも、ダメでした。本当に本当にあの時はバッタバタだったので。当たり前のことができなくなります。
緑米はかろうじて少し発芽しました。
種、なくなってしまったらもうおしまいです。また、縁があるといいなと思います。
耕耘作業、代掻き作業は大分上手になってきました。
田植えも順調にいきました。
6月は代掻きしては、ならして、田植えという日々が続きました。
山田家らしく手植えももちろんやってますよ。
すずさんにも手伝ってもらって
田植えが終わったら六月灯(鹿児島の夏祭り)
今年は代掻きしてすぐならさないと土が重くなって大変ということも痛感しました。(え?当たり前?7年目にしてようやく身にしみました)
田んぼを水平に凸凹がないようにってこれがまた難しい!!
みなさんさらっとやってますが、トラクター暦2年の新米にはまだまだ勉強が足りないと突きつけられます。ハローが欲しい!!
その間にも畑作業ももちろん待ったなしです。
畑の草の伸びる速度はすごいです。田んぼにしばらく行っているとそこは草原のよう。あらら。。。
7月は草刈り、草取りです。
とにかく暑い。熱い。汗は毎日5ℓくらいはかいてると思います。
とにかく草がすごい。手で取ったり、田車押したり、子供達も夏休みは毎日草取り頑張ってます。これはエンジン付き田車買わなきゃかな。。。。お金がない。
それと田んぼたくさんあるので畦の草を刈るだけで5日くらいかかっちゃう。畝刈機買わなきゃかな。。。。。お金がない。
本当は福岡にボランティアに行くつもりだったのですが、なかなかいけない。。
8月いけるか,,,!?
畑はまだ復旧ならず、秋冬野菜に間に合うか
これから8月中旬にはお米の花が咲いて、いよいよ実が垂れる頃になります。
秋冬野菜もあるので、これらと並行して作業。頑張ります!
えーと何から書いたらいいかな〜〜。
今、台風5号が屋久島の南に停滞していて、明日にかけて鹿児島にも近づいてきそうです。
去年の16号を彷彿とさせるコース予想。。
もしかして、、、あの日の夜が脳裏をよぎる。そんな中ブログ書いてます!!
(2016年台風16号の時の様子)
まず、2017年はまた田んぼが増えました!
あんまり増やすつもりなかったんですが、僕が住んでいる垂水市の水之上地区はとんでもない勢いで耕作者が足りなくなってきています。
本当に僕なんかの手じゃ足りない。これを見ているあなた!ここに引っ越して農業やりませんか!!
ちゃんと計算すると今年は2町の田んぼを面倒見ているようです。
これ田んぼの枚数にすると30枚です。
普通の稲作農家さんが見たらびっくりされると思います。棚田でもやってんのかと。
この辺は割と平野っぽいんですが、一枚の面積が小さいのです。なので、田んぼ30枚やってても2町くらいにしかならない。とにかく畦が多くて草刈りが半端じゃない。
こんだけあるのでこれ見ながら管理してます。
一枚一枚が小さいのは、土地改良が進んでいないということ。水路もパイプではなく、U字溝です。
なぜ改良が進んでいないかというと、みなさんそれぞれの田んぼを大事にしていて、自分のお米は頑張って自分で誇りを持って作っていた(今までは)こと、ということなどが農地の大規模化を阻んだ理由かと思っています。
それがためにだだっと田んぼが広がっているのに、掛け干しの田んぼが多い理由にもなっていると思います。普通、こんだけまとまった田んぼの場合コンバインが主流になっていてもいいはずです。
秋には竿を並べて掛け干しの風景がこのあたりに広がり、それはそれは美しい風景を、懐かしい風景を作り出します。水之上の遺産、大事にするべき文化であり、アイデンティティだと思います。
農家としては農地は大きい方がいい、チマチマやるのは大変です。それでも今までここの人たちが守ってきたものを大事にして生きたいと思います。
これだけ田んぼがありますが、全部が全部お米を育てているわけではありません。
中には水があまりかからないので、里芋を植えた田んぼ、牟田すぎてレンコンやマコモを育てているところなどもあります。今年からの新しい挑戦です。あ、今から大豆を蒔こうとしている田んぼもあるんだった。
去年の災害で土砂が埋まった田んぼが3枚もありましたが、それらはなんとか復旧して田植えに間に合いました。水路が復旧しないのではという心配もありましたが、本当にギリギリで植える判断となりました。正直、「また去年のように土砂がくるかもしれない」とも思いましたが、やるだけやってみるという感じです。
ここも
なんとか田植えできた
ここも
なんとかできたけど、これは田植え直前。
ここも
なんとかもとどおり。
今年の栽培品種は
・ヒノヒカリ
・朝日(栽培増やしました)
・赤米
・緑米
・黒米
・ハッピーヒル(栽培増やしました)
・ササニシキ(栽培増やしました)
・香り米
苗づくりの失敗もありました。基本的な技術がまだまだなところもあります。
ふとしたこと、淡々とやってしまいがちな種まき作業ですが、実はこれに全てかかってます。ちょっとしたところに落とし穴、失敗は即山田家の破綻を意味します。
苗が全てです。苗ができないと稲作は始まりません。
それと緑米、羽二重糯、亀ノ尾、これらはダメでした。
多分去年の台風の時に水に浸かっていたんだと種まきした後で気づきました。糯米、亀ノ尾は全く発芽しませんでした。普通水に浸かったんだとしたら気づくと思いますよね。でも、ダメでした。本当に本当にあの時はバッタバタだったので。当たり前のことができなくなります。
緑米はかろうじて少し発芽しました。
種、なくなってしまったらもうおしまいです。また、縁があるといいなと思います。
耕耘作業、代掻き作業は大分上手になってきました。
田植えも順調にいきました。
6月は代掻きしては、ならして、田植えという日々が続きました。
山田家らしく手植えももちろんやってますよ。
すずさんにも手伝ってもらって
田植えが終わったら六月灯(鹿児島の夏祭り)
今年は代掻きしてすぐならさないと土が重くなって大変ということも痛感しました。(え?当たり前?7年目にしてようやく身にしみました)
田んぼを水平に凸凹がないようにってこれがまた難しい!!
みなさんさらっとやってますが、トラクター暦2年の新米にはまだまだ勉強が足りないと突きつけられます。ハローが欲しい!!
その間にも畑作業ももちろん待ったなしです。
畑の草の伸びる速度はすごいです。田んぼにしばらく行っているとそこは草原のよう。あらら。。。
7月は草刈り、草取りです。
とにかく暑い。熱い。汗は毎日5ℓくらいはかいてると思います。
とにかく草がすごい。手で取ったり、田車押したり、子供達も夏休みは毎日草取り頑張ってます。これはエンジン付き田車買わなきゃかな。。。。お金がない。
それと田んぼたくさんあるので畦の草を刈るだけで5日くらいかかっちゃう。畝刈機買わなきゃかな。。。。。お金がない。
本当は福岡にボランティアに行くつもりだったのですが、なかなかいけない。。
8月いけるか,,,!?
畑はまだ復旧ならず、秋冬野菜に間に合うか
これから8月中旬にはお米の花が咲いて、いよいよ実が垂れる頃になります。
秋冬野菜もあるので、これらと並行して作業。頑張ります!